m6u's blog

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何を以って「Bluetoothは普及した」と言えるのだろう

 「デジモノ家電を読み解くキーワード:「Bluetooth」――携帯からゲーム機まで、広がる活用範囲 - ITmedia +D LifeStyle」の記事が実態を適切につかんでいないように思えるので、いろいろ補足的なものを書いてみる。
 《積極的に取り組む国内メーカーが少なかった》のは、Bluetooth 1.0Bや1.1あたりをせいぜいソニーくらいしかやっていなかったことを言っているんだと思う。 当時はCLIEというPalmOS採用PDAを展開していた時期でBluetooth通信アダプタをオプションとして用意していた。 ハンディカムの方で出ていたPHS通信カードをBluetooth化する「BTA-NWP」というのを使って、CLIEでネットにアクセスしていたものだった。 ケータイではC413SがBluetooth 1.0Bでダイヤルアップ用に使えた。
 《音響機器関連での需要が高まった》のだけど、ケータイにワンセグが載るようになってからは逆に締め出しを食らっているように見受けられる。 著作権保護規格であるSCMS-T方式に対応していないBluetoothレシーバでは、ワンセグの音声を受信することが出来ないため、不案内な店頭でワンセグ対応の機器を買うのが難しいと感じる。 海外メーカーは音声通話として優秀なヘッドセットがあるのだが、SCMS-T方式に対応していないがために売れにくくなっているのではないだろうか。
 《イー・モバイルウィルコムなどBluetoothを積極的に活用しているキャリア》とあるが、ウィルコムBluetooth内蔵だったのは後にも先にもWX310Kしかない。 後継機種ではBluetoothが省かれてしまっている。 スマートフォンではどうかというと、これもBluetoothは内蔵されず、一部の機種だけmini-USB Bluetoothアダプタが使えるという状態。 十分小さく作ってあっても、スマートフォンという性格上つけっぱなしにはできない出っ張りなので、使い勝手が悪いと感じるところだ。
 《遅延情報を使い補正するなどの処理》のくだりは、はっきり言って実感がない。 P905iモバイルキャストのmLinkR for P902iとリンクして音楽を聴いているとき、再生の一時停止や再開の操作は体感的に0.4秒前後のラグがあるので、焦って二度押ししてしまうこともある。 おそらくゲームコントローラとしての話と音声伝送の話がすり替わっているのではないだろうか。
 個人的には、普及したというのはまだまだ早いと感じる。 あるキャリアのケータイの半分以上のメーカーがBluetoothを内蔵するようになったら普及していると考えてもいいだろう。 それでいくと、ソフトバンクモバイル(とイーモバイル)しか普及していないといえる。 FOMA P905iBluetooth内蔵なのだが、かつてはF902iTという派生モデルでもBluetooth内蔵だったのだからFに継承されていないのが残念だ。 ソフトバンクモバイル向けにはBluetooth内蔵ケータイを出していながら、ドコモ向けにはBluetoothを内蔵させないというシャープというメーカーもある。 これはメーカーを責めるよりもキャリアの考えなのだから、ドコモがまず頑張ってくれないといけないだろう。
 また、Bluetoothで音楽音声の伝送をするにしても、音質が劣化してしまう組み合わせが多いように思う。 ケータイの機能として、音楽とワンセグと通話しか伝送してくれないP905iなので、この場合Bluetoothを諦めケーブルでつないだほうが劣化せずあらゆる音を伝送するため便がよく、Bluetoothの使用頻度が少なくなっている。
 そろそろ「つながればいい」というレベルから踏み込んで「つながって使いやすい扱いやすい安定している」レベルに高まってほしいのだが。